初めまして、LunRu.です。
普段日頃から思っている声優について書きます。
私は声優の「あなたそんな声出せたのね!?」という瞬間がたまらなく好きで追っている側面が強い。
しかし、業界はどうも違うようだ。
それは、依然として"つまらない"中堅声優ばかりが跋扈している現状から伺える。
最近の若手声優は実に多色の声を出すことが出来る。
しかし、それは何にでもなれる「カメレオン声優」ではなく、どこかで破綻する懸念のあるどうなるかわからない「ガチャ声優」である側面が大きい。
事実、そこまで有名ではない声優のボイスサンプルを聞くと、少年・少女・女子高生・老婆と様々なキャラクターの声を聴くことが出来る。
しかし、そこには欠点があり
- セリフのどこかでその"キャラ"っぽくなくなる瞬間がある
- 活舌が良くない
- 発声に違和感を覚えてしまう*1。とりわけサ行とツ。
- マイク乗りの悪さ。演技が下手、と言いくるめればそうかもしれないが、もっと包括的な作用があるように感じる。
などがあるように覚える。
アニメキャラは実に多様な設定やバックグラウンドを持っていることが多いが、こと声に関しては「ツンデレ」や「清純派」、「ちょっと高め」などざっくばらんに扱われるようなことが多いのではないだろうか。
となれば、昨今の資金繰りも苦しいアニメ業界が名も知れぬ声優を使うわけもなく「いつも通り例の声、例の演技」が出来る声優を抽象化されたアニメキャラにあてはめてキャスティングする。
その結果が「いつも通りのキャスト陣」なのである。
Wikipediaの出演欄が太字ばかりの人とスカスカな人の格差はここにあると思う。
抽象化された概念に一度当てはまってしまえば、ある程度食うには困らない。
そして当にその本人がその声をすでに出せなくなっていても、イメージそのものが声に引っ張られていくので、全く問題が無い*2。
そして"売れっ子声優"は、概念をものにしたまさしく「偶像」的なアイドル声優とごく一部の本当の"カメレオン声優"だけになるのである*3。
例外的な作品は時間的猶予と外見を特に重視したアイドル系アニメと、本気でキャラに向き合った稀有なアニメだけ。
この議論の悪人は、とどのつまり
- 粗製濫造な若手声優群 (そしてそこから脱せない育成環境)
- そのなかの原石を見出せず、旧態依然なキャスティングを続ける愚鈍な業界
である。
このままでは声優界がシュリンクしていくことなど目に見えている。
女性声優が過去最多などと言っているが、青田買いコンテンツに目をつけられただけで数年後にはまた声優図鑑から削除されているような人ばかりである。
十年前なら声優図鑑などには乗らず、ナレーションの仕事 (たまにある何とも言えない微妙な映像のナレーションとかなのかな) をする裏方になっているか、養成所後声優としては廃業し別の道を志していただけ。
声優業界はこの十年、なにも進歩してなんかいない。
偉そうに語っているが、私はただの声優オタクだ。
偉い人でも権力がある人でも何でもない。
そんな私が唯一出来ることは、結局のところ"面白い"声優を推して「カメレオン声優」になる可能性を指摘していくこと、なるべく"つまらない"声優を推さないようにする、これしかないのかな……などと思っている。